2007.11.8(木)

札幌のススキノにあるライブバー「slowhand」にて、石川俊介氏のベースクリニック/トーク&セッションが行われました。
今回はベースクリニックなので、石川先生とお呼びします。
石川先生といえば、1999年聖飢魔Uが解散する時に、ゼノン石川和尚より「人間界のベースは君に任せた」と悪魔から託されたベーシスト。
そんな石川先生の生音を札幌で聴けるなんて、こんなラッキーなことはありません。
平日の夜9時からのクリニックでしたが、店内は満員御礼。
札幌では今年2月に聖飢魔Uばかりのコピバン大会が開催されたのですが、この時のライブで知り合った方々も沢山来てくれました。

ベースクリニックとおしゃれなブルース、JAZZセッションはたっぷり2時間ありました。

これだけでも十分価値があるというものです。
質問コーナーでは、専門的なスラップ奏法から、「地獄の皇太子♪」って、言われたら悪魔に戻りますか?なんて質問もあって、とても和やかな雰囲気でした。

さて、これから書く私のレポは、クリニックのことでも、JAZZセッションのことでもありません。
この後、超おまけで実現した聖飢魔Uセッションレポです。
信者の皆さんならお分かりだと思いますが、石川先生とアマチュアバンドが聖飢魔Uセッションするなんて、普通はあり得ません。(きっぱり)
そんな夢のような一夜の出来事を、皆さんにお伝えしたいと思います。

しかし、このレポの中には数々の暴言が出てきます。
どうか、続きを読まれる方は、私とセッションメンバーの関係は、アニメ「魔法使いサリー」に出てくる、よしこお姉ちゃんと三つ子の弟達のような関係だと、愛ある暴言だとご理解の上、お読み下さい。
じゃないと、私が怖い人になっちゃいますから〜

では、続きをどうぞ。

ブルースセッション3曲終了。

普通ならこれでお開きなのでしょうが、本日は石川先生のご好意によりこの後、聖飢魔Uセッションを2曲やっていただけることになりましたー。
しかも、マスターから聖飢魔Uセッションの仕切りは私に任せて頂けるとのお話。
さぁ、石川先生の気が変わらないうちに、打合せしまーす。

私:「すいませんが、創世記からお願いします」
石川先生:「えー、弾けないよー!!」
私:「で、アンコールが掛かったら、蝋人形の館で」
石川先生:「蝋人形・・・」

私:「お、お願いします!!」

半ば強引な打合せでしたが、何とか演奏して頂けることになりましたー。

本日は平日ということもあって、どこのコピバンもメンバー揃わず、即席混合バンドとなりました。
すべてリハなしの一発勝負です。

本日のセッションメンバー
Vo:OTTO (楽器魔U)
G1:ハリケーン千葉 (つちのこ)
G2:ジェイル茂田 (ぬらりん)
Dr:Paa-Paa竹森 (つちのこ)
Ba:石川先生

メンバー準備整ったようです。
さぁ、始まるのかと思いきや・・・

Paa-Paa:「あのう、生いえーいが聞きたいんですけど」

な、なんちゅう恐れ多いこと言うんじゃい?!(; ̄ー ̄A アセアセ・・・


石川先生:「いえーい」
客:「いえーい」
石川先生:「いえーい」
客:「いえーい」
石川先生:「準備はいいかい?いえーい」
客:「いえーい」

ドラムのPaa-Paaがニコニコ笑って見ています。
いつまで経っても、始まらないってばさぁー!!

1.創世記

やっと始まりました創世記〜
と思ったら、ん?何だか、ジェイル茂田の怪しい動き、その瞬間手を上げて、演奏ストップ。

客:「いえーい!!」

ど、どうした?何があった?
どうやら石川先生のシールドが抜けてしまったようです。
危なかったー。(; ̄ー ̄A アセアセ・・・


石川先生:「かなり出ばなをくじかれました。いえーい」

もう、何度も何度もいえーい言わせて申し訳ないです。
今度はまともに始まりました。
半ば強引にお願いした創世記ですが、いやーかっこいい!!
この曲を演奏すると、条件反射でベースを振り下ろしてしまうんですねー。
その動きはまさにゼノン和尚です。
先ほど、「弾けないよー」とおっしゃっていましたが、ベース音がバンバン響いて、しっかり弾けています。(^^)
創世記を聞くと、これから始まるんだなって感じがして、胸が高鳴りますね。
この曲からお願いして大正解でした。
創世記の演奏が終わると、OTTO閣下の「ぶはははっ」という声が響きます。
ステージが狭いためか、OTTO閣下は石川先生の斜め前に跪いています。

OTTO:「ぶはははっ〜、ゼノン石川 with 残念な仲間達!!」

その瞬間、石川先生からVo OTTO閣下に「ゲンコツ」が入りました。
一同大爆笑。いつの間にそんなバンド名付けていたんでしょうね?

2曲目はご存知、FIRE AFTER FIRE
果たして、リハなしの一発勝負でうまくいくのか、いやいってほしい。
OTTO閣下より曲紹介が・・・


OTTO:地獄の皇太子♪


( ̄[] ̄;) 滝汗  なんで〜?なんで〜?


2.地獄の皇太子

石川先生と直接打ち合わせした私が知らないのですから、もちろん石川先生もこの曲のことは知りません。
石川先生の目が点になっています。
ドラムのカウントと共に、演奏が始まってしまいました。

おのれー、はかったなー!!

もう、ダメですぅ。
これにて、演奏止められるかも・・・
血圧上昇中。

しかし、石川先生の指は、地獄の皇太子を弾いていました。
何度も首をひねりながら、思い出して弾いてくれています。
音もしっかり出ています。

と、思ったらギタリスト2名も首をひねりながら、弾いていました。
目が泳いでいます。
ギターの音が途切れます。
こ、こいつらいきなりやったんだ・・・

別々なバンドのツインギターが打ち合わせもなく、いきなり弾くと恐ろしいことが起こります。
思い出せない。
ハモっていない。
2名でバッキングetc
早い話がボロボロです。

自爆だ。
こいつら自爆テロだー!!

もう、どっちが悪魔だか人間だかわかりません。

こんなことやっちゃって・・・
主催者の方もさぞ焦っていることでしょう。
本日の主催は、先ほどのJAZZセッションのドラマー、古川さんという方です。
恐るおそる古川さんの方を見ました。

わ、笑ってる?
古川さんがニコニコ笑って、地獄の皇太子を聴いています。

何故だー???
何故、この非常事態に主催者が笑ってみていられるのか?
石川先生が怒って帰ってしまうかもしれないのにぃぃぃぃ

ギターはかなり怪しかったのですが、リズム隊がしっかりしていたので、なんとか地獄の皇太子は演奏できました。
たどたどしい演奏でもお客さんは、すごく盛り上がっています。

石川先生:「ダメだわぁ〜」(自分の演奏がダメだったって感じのニュアンスにとれました)

マスター:「約束にない曲、やっちゃダメだよー!!」

ほらほら〜、怒られたー。
普段は好き勝手にやらせてくれるマスターも、さすがにこの時は一喝が入ります。
怒られて当然です。

この後、どうなるんでしょう・・・
石川先生だって怒っていますよね。

しかし、石川先生から想像もしなかったお言葉が、

石川先生:「歌うまいですね」
OTTO:「あ、ありがとうございます」(ひれ伏しています)

石川先生とOTTO閣下が握手しています。

マスター:「ギターもうちょっと、でかくていいよ」

えっー、続けていいんですかー?!
私、もう血管切れそうなんですけど〜。

3.FIRE AFTER FIRE

この曲は打ち合わせしたし、何度もセッションしているし、安心して聞けました。
石川先生もノリノリで弾いています。
メンバーもお客さんも、楽しそうです。
お店の機材を使ったので、演奏メンバーはいろいろ大変だったみたいですが、最高のFIRE AFTER FIREだったと思います。

4.EARTH EATER

うふふっ、今日来たお客さん、お得ですよー。
誰が今日、この場でこの曲をやることを想像したでしょうか?

ここで、ボーカルとドラムが交代します。

Vo:タカユキ(GOD SILENCE)
Dr:クッシー(ぬらりん)

ところで、アースイーターって、セッションでやる曲ですか???

タカユキ:「OK?行きましょう、EARTH EATER!!」


シーーーーーーーーーーーン


ドラムのカウントが入りません。(; ̄ー ̄A アセアセ・・・

客:「いえーい」

ドラムのクッシーが、頭かいています。
さすがに石川先生とセッションするんですから、緊張しますよね。

さて、仕切りなおして、もう一度。

石川先生:「いえーい」

また、言ってもらってしまいました。(; ̄ー ̄A アセアセ・・・

タカユキ:「OK?行きましょう、EARTH EATER!!」

今度はドラムのカウントが入って、演奏始まりました。
ベースすごーい、すごーい!!(感想になってません)
今日、演奏してくれているメンバーのコピバンでは、この曲はレパートリーにはないのですが、結構いい感じです。

いい感じ、いい感じ♪間奏まできました。
ん?何だか間奏長くないですか?
メンバー、顔見合わせています。

シーーーーーーーーーーーン

と、止まりました・・・・Σ(|||▽||| )

客:「いえーい」
タカユキ:「いえーい」

すかさず石川先生がメンバーに声をかけています。

石川先生:「ワン、ツー、スリー、フォー」

おおぉぉぉ w(*・o・*)w、すぐにギターソロから持ち直しました。
こうなるとセッションというよりは、公開レッスンと言った感じです。
この後はスムーズに行き、終わり方もバッチリ決まりました。

途中で止まっちゃったけど、難しい曲をよくやってくれたと思います。
充分合格点です。
これで、いちお終わりなんですけど。

客:「アンコール♪アンコール♪」

まるで企んでいた様なアンコール。(^^)

5.蝋人形の館

ここでまたVoが交代します。
Vo:シモ(つちのこ)

シモがステージに上がったのはいいのですが、石川先生のチューニングが合わないようです。
ここはVoのMCで、繋いでほしいところなのですが

シモ:「今までにない緊張感で・・・」

もう、本人は頭真っ白になっているようです。
石川先生のチューニングは、なかなか合いません。
時間が流れます。
頑張れシモ!!
しかし、人間極限まで追い込まれると、とんでもない事を言ってしまうものか・・・?

彼はチューニングしている石川先生に向かって、泣きそうな声で

シモ:「早くして〜」


゛;`;:゛;`(;゜;ж;゜; )ブッ

その後、蝋人形の館は無事最後まで演奏出来ました。
石川先生も最後は、腕を高々と上げて、バッチリ決まりました。
こうして聖飢魔Uセッションは2曲どころか、5曲やってしまい、興奮と共に幕を閉じたのでした。

聖飢魔Uセッション始まる前は、うまく行ってくれることだけを願っていたのてすが、終わってみた感想は、

てめぇら、全員そこへ座れーーー!!

JAZZセッションのときは、汗なんかかいてなかった石川先生が汗だくです。
私も一歩も動いていないのに、汗だくです。

しかし、私は落ち着いてはいられません。
主催者の古川さんへご挨拶と謝罪を。

私:「あの、聖飢魔Uセッション仕切られてもらった○○と申します」
古川:「いやー、こういうの楽しいですねー(^^)」

へっ?怒ってない?

私:「すいません、打ち合わせにない曲までやっちゃって・・・」
古川:「そうなんですか?私、JAZZとかフュージョンばかりなので、聖飢魔Uの曲は全然知らないんですよ」

どうやら、古川さんは「地獄の皇太子」と「FIRE AFTER FIRE」の違いはわかっていなかったようです。
だから地獄の皇太子を笑って聴いていられたんですね。
古川さんが楽しかったと言ってくれて、少し安心しました。

しかし、石川先生はプロのベーシスト、その辺のおっさんに1曲弾いてもらうのとは違います。
謝らなくちゃ、謝らなくちゃ。

私:「すいません、地獄の皇太子は私まで騙されましたー」
石川先生:「えっ、そうなの?」
私:「もう、勝手なことやっちゃってすいません」
石川先生:「やってる間にこうなっちゃったって言うのは仕方ないよー、こんなのはやっちゃったモン勝ち」
この言葉を聞いて、さすが聖飢魔Uを支えて来たベーシストだと思いました。
テクニックに加えて、この大らかさが聖飢魔Uを支え、今なおプロのミュージシャンとして活躍することが出来るのでしょう。

でも、石川先生、地獄の皇太子チームは確信犯ですから〜!!

後で聞いた話によると、演奏始まる直前に、メンバーはVoのOTTOに耳元で「地獄の皇太子やるよ」と言われて、こうなってしまったそうです。
ついに主犯格が判明しました。

その後は皆さん、石川先生にサインしてもらったり、いっしょに写真を撮って貰ったりと、信者の集い状態でした。
こうして、札幌での夢のような一夜は過ぎていきました。
石川先生にとっては悪夢の一夜になったかも?
でも、私はベーシストとしての石川先生も聖飢魔Uも益々大好きになりました。
どうかこれに懲りず、今度は是非ご自信のバンドで北海道へいらして下さい。
 
もう、こいつらには悪ささせませんから〜!!
 
 
 
 
・・・・たぶん
 
 
2007年12月  Laa-Laa